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ちいき新聞・インプラント治療の記事
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伊藤創造
○(いとうそうぞう)静岡県生まれ。
岩手医科大学歯学部卒業後、大学院でインプラントと生体の親和性に関する論文で博士号を取得。その後、岩手医科大学歯科補綴学第二講座の助手、講師として臨床等で活躍。その間、医局長、外来長を勤め1991年にはトロント大学に留学。2014年におゆみ野インプラントセンターを開設。現在、日本補綴歯科学会指導医・専門医、日本顎顔面補綴学会・認定医、日本歯科審美学会・認定医。アメリカ口腔インプラント協会(ADIA)の専門医(Master)。日本歯科審美学会,日本顎顔面補綴学会の両学会で優秀論文賞を受賞。
テーマ: インプラント治療のお話
その1 インプラント治療の前に 【健康な歯が一番大事】
今回から何回かに分けてインプラントのお話をさせていただくことになりました。インプラント治療をするとなぜ、かめるようになるのか?かむことでどうして健康になるのか?さらに最先端のインプラント治療法や検査方法、インプラントで口元の美しさを回復させる方法、治療した後ずっといい状態を保つためのメインテナンスなどについてわかりやすく解説させていただきます。
最初ですのでインプラント治療のお話をさせていただく前に、少しだけ健康な歯の話をさせていただきます。私は「最高の歯科治療は、治療のいらない健康な天然歯を守ること」だと考えています。
人生において、健康な歯とかみ合わせを保って、食べること、話すこと、口元の美しさと笑顔を手に入れることができればすばらしいことです。虫歯、歯周病にならないようにする方法もある程度確立されています。だからこそ最高の歯科治療は、健康な天然歯を守ることです。しかし、残念なことに防ぐことが出来る病気にも関わらず多くの方がどこかの時点で健康を損ない、歯とかみ合わせが壊れてしまうのが現状です。その場合、我々歯科医は患者さんの笑顔のために、最良と考えられる治療方法でかみ合わせの回復とその後、長期においしく食事が出来るようにメインテナンスをしています。
歯とかみ合わせが壊れてしまうことをそのときだけのことと考えるのではなく、人の一生すなわちライフサイクルの中で考えて対応しています。ライフサイクルを中心に治療方針を考え、その場限りの治療ではなく、歯とかみ合わせが長期的に安定するように努力をするとともに最新の歯科治療を提供しています。しかしインプラントを含めてどんなに優れた治療方法であっても健康な歯、健康な歯列には文字通り歯が立たないのです。人工装置は、あくまで人工装置で、健康な歯が再生してくるのではないのです。健康な天然歯を守っていくことに最大限の努力をして、がんばったけどしかたなくなくなってしまった歯に、患者さんに満足してもらえる最高の治療を行うという立場でインプラント治療を行いたいと考えています。